みなさんは最近、日本の「自転車旅(サイクルツーリズム)」がものすごいスピードで進化しているのをご存知ですか?
2026年5月末、政府は今後5年間の日本の自転車環境を左右する重要方針「第3次自転車活用推進計画(2026〜2030年度)」を閣議決定しました。
これまでの国の自転車政策といえば、「街中の自転車レーンを青く塗る」「ロードバイク向けの平坦なサイクリングロードを整備する」といったものが中心でした。しかし、今回の第3次計画では、全国のオフロード好きやアウトドア派がひっくり返るような「過去最大のアップデート」が行われたのです。
なんと、「マウンテンバイク(MTB)の活用」が、観光振興や地域活性化の手段として初めて国の政策に明確に位置づけられました!
なぜ今、国がマウンテンバイクに本腰を入れ始めたのでしょうか?サイクリストにとってどんな未来が待っているのか、詳しく解説します。
理由:日本の「眠れる山」を観光資源に変えるため
日本は国土の約7割を山林が占める「山国」です。しかし、これまでは林道の維持管理や、私有地・国有地の走行許可(グレーゾーン問題)が壁となり、海外に比べてマウンテンバイクを合法かつ安全に楽しめる環境が圧倒的に不足していました。
国が今回、MTBを計画に明記した背景には、「地方にある手つかずの自然を、そのまま世界に通用する観光資源(サイクルツーリズム)に変えたい」という強い狙いがあります。
舗装路を走るロードバイクとは違い、MTBは森の中の泥や木の根、斜面そのものが「遊び場」になります。過疎化が進む地域の林道や、使われなくなった古道を整備するだけで、莫大なインフラ投資をせずとも最高の観光コンテンツを生み出すことができるのです。
私たちの自転車ライフはどう変わる?3つのメリット
この国家計画が進むことで、これから5年間で私たちのサイクリング環境は以下のように劇的に変わっていきます。
- 「公認トレイル」や専用パークが全国に激増!
自治体や国林野庁との連携がスムーズになり、これまで走れなかった森や山に「公認のMTBコース」が次々と誕生する見込みです。ビクビクしながら走る必要はもうありません。 - 手ぶらでOK!「E-MTB」のレンタルが普及
「山を登る体力が心配…」という初心者でも、電動アシスト付きのマウンテンバイク(E-MTB)の導入が国主導で推進されます。年齢や体力を問わず、誰もが絶景の山頂まで笑顔でアクセスできるようになります。 - 「サイクルトレイン」で車なしの山旅へ
自転車を解体せずにそのまま車内に持ち込める「サイクルトレイン」や「サイクルバス」の整備も同時に進みます。「最寄り駅からサイクルトレインに乗り、山の麓からそのままMTBでトレイルへ突入する」というクリーンで最高の旅が当たり前になります。
今回の「第3次自転車活用推進計画」は、日本のサイクルツーリズムの歴史において大きな転換点になります。これからの5年、日本の山はただ眺めるものではなく、「MTBで爽快に駆け巡る場所」へと進化していくはずです。
では、この国の強力な追い風を受けて、実際に地域ではどのような動きが始まっているのでしょうか?
次回[第2回]では、「冬の豪雪地帯のスキー場を、夏のMTBの聖地へ変える」という、山形県鶴岡市で始まった非常に熱い地域おこしの挑戦をご紹介します。お楽しみに!
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