由利本荘・矢島・にかほを自転車で走ってきました!(第1回:由利鉄サイクルトレイン編)

2026年10月15日木曜日

サイクルトレイン

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庄内を飛び出して、今回は秋田県・由利本荘市から矢島、にかほ方面にかけてのロングライドに行ってきました。自転車走行距離55.5km、獲得標高912mのコースを、由利高原鉄道のサイクルトレインも活用しながら走ってきたレポートを、2回に分けてお届けします。第1回は、ルートの起点となった由利鉄・サイクルトレインの魅力についてです。


モデルルート:出羽の国自転車活用推進協議会作成

タイムスケジュール前半 ※モデルルートとは異なります。
由利本荘市役所 8:30発
薬師堂駅(サイクルトレイン乗車) 8:48
矢島駅(サイクルトレイン下車) 9:24
まずは由利本荘市役所を出発し、自転車で薬師堂駅へ。そこから由利高原鉄道のサイクルトレインに乗り込み、矢島駅まで輪行の手間なく移動するという行程です。

由利高原鉄道「鳥海山ろく線」とは
由利高原鉄道は、旧国鉄矢島線を引き継いだ第三セクター鉄道で、1985年(昭和60年)に「鳥海山ろく線」として開業しました。羽後本荘駅から矢島駅まで23.0kmを結び、全線が単線・非電化。子吉川に沿うように走り、その流れを2度渡る、のどかな車窓が魅力の路線です。
実はこの路線、全国でも珍しい特徴を持っています。閉塞方式の違いから前郷駅でタブレット交換(通票交換)が行われており、これは現在全国でも由利高原鉄道・津軽鉄道・くま川鉄道の3路線でしか見られない、貴重な運行方式です。鉄道好きの方にとっても、見どころの多い路線だといえます。

また、由利鉄では「まごころ列車」と呼ばれる、秋田おばこ姿のアテンダントが乗車する列車が1日1往復運行されており、観光客へのおもてなしにも力を入れている路線です。「出羽富士」とも称される鳥海山を望みながら走る車窓は、地元の方だけでなく、県外から訪れる観光客にとっても魅力的な景色です。

一方で、経営面では全国の第三セクター鉄道と同様に厳しい状況が続いており、2025年度決算では1億円を超える経常赤字が計上されています。だからこそ、サイクルトレインのような新しい利用の形を通じて、一人でも多くの方にこの路線の魅力を知ってもらうことには、大きな意味があると感じています。鉄道を「守る」という視点ではなく、「新しい使い方で盛り上げる」という視点で関わっていけることに、個人的にもやりがいを感じています。

名誉駅長・三好さんとの出会い
今回、薬師堂駅から矢島駅までの区間をご一緒させていただいたのが、吉沢駅の名誉副駅長を務める三好さんです。地元の方ではないそうですが、大の由利鉄好きの視点から、由利鉄の魅力を教えていただきながらの道中は、単なる移動時間ではなく、由利鉄そのものを深く知る貴重な時間になりました。由利鉄の大ファンの方の言葉で聞く鉄道の話は、ガイドブックには載っていない温かみがあります。
サイクルトレインという選択肢の価値
このブログでも何度か取り上げてきた「サイクルトレイン」というテーマですが、今回の由利鉄での体験は、まさにその可能性を実感する機会になりました。輪行袋に詰める手間なく、自転車をそのまま列車に積み込み、短い区間だけ鉄道に任せて脚を温存する——これは、ロングライドの行程を組み立てる上で、非常に心強い選択肢です。

今回のように、鉄道で一区間ワープしてから、その先のアップダウンの多いエリアをじっくり走る、という行程の組み方は、サイクルトレインならではの楽しみ方だと思います。以前、羽越本線でのサイクルトレイン構想についてこのブログでご紹介しましたが、今回の由利鉄での体験は、その構想が目指す未来の一つの「完成形」を、実際に体感できた貴重な機会でもありました。
薬師堂駅から矢島駅までのわずかな時間でしたが、車窓から眺める鳥海山麓の風景と、三好さんとの会話を楽しみながら、あっという間に矢島駅へ到着しました。終点の矢島駅は、2002年に「東北の駅百選」にも選ばれた立派な木造駅舎で、由利高原鉄道の本社も併設されています。旅行センターや売店もあり、ロングライドの出発点として一息つくにもぴったりの場所です。

自転車だけで由利本荘から矢島まで向かうとなると、相応の体力と時間が必要になりますが、サイクルトレインを使えば、その分の脚力をこの先のアップダウンに温存できます。行程全体を考えたとき、鉄道と自転車を組み合わせるという選択は、単なる移動手段の工夫以上に、1日の走りの質そのものを左右する、重要な戦略だと実感しました。
第2回では、矢島駅から鳥海グリーンラインを経て由利本荘へ戻る、アップダウンに富んだ後半のルートをご紹介します。

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